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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
三遊亭 円朝
02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页
甲斐もないと云うもので」
母「実に海禪さんの仰しゃる通り御尤もでございますが、もう程無う帰りましょうと存じて居りますから、どうかもう少々お待遊ばして」
という所へ、
男「へい只今旦那が入らっしゃいました」
母「はい、直ぐに何うか此の席へ参るように仰しゃって」
と云ううち案内をも待たずつか/\と山三郎は母の傍に参りまして、
山「誠に恐れ入りました、大きに御心配を掛けまして相済みません」
母「本当にまア私はどんなに案じたか知れないよ、何所に何うして居るかと思ったうち漸々天神山に居ることが知れてねえ、手紙を出したが知れましたろう」
山「拝見致して取敢ず立帰りましたが、未だ結納は取替せますまいな」
母「はい結納の事はお前を待って居たので」
山「どうか直ぐにお帰り遊ばして」
母「直ぐにと云ったってそう帰る訳には往きませんよ、先お前それにお出でなさるお方は粥河様と仰しゃる、元はお大名の御家老役をもお勤めなすった立派なお方で、此の頃竹ヶ崎へお出になって結構な御普請を遊ばして、田地やお山をもお購求で、何不足なくお暮しで、処が先頃奥様が卒去になって、早くどうか嫁をと云うので、処が浄善寺へ私がお藤を連れて御法談を聞きに参った