轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
坂口安吾『桜の森の満開の下』。同一底本的分册已合并为一书。收入:土の中からの話、家康、閑山、禅僧、小さな部屋、道鏡。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,558 字 · 153 页
こういう話もある。
これは寺院の中で行われた出来事。お綱が眠りからさめて帰ろうとするとホーゼがなかった。お綱のホーゼのことだから赤い色もさめはて、肉臭もしみ、よれよれの汚いものに相違ない。禅僧をゆり起して出せと言ったが、彼は返事をしなかった。
お綱は突然激怒して禅僧を組敷き、後手にいましめた。本堂へひきずりこみ、これを柱にくくりつけて、着物をビリビリひき裂いて裸にしてしまった。仏壇から大きな蝋燭をとりおろして火を点けると、坊主の睾丸にいきなりこれを差しつけたという。坊主の身体がいきなりはじきあがったのは申すまでもない話で、百本の足があるかのようにバタバタガタガタとやった。柱の廻りを腰から下の部分だけで必死に逃げまわりながら、ワアワアギャアギャア喚きたてたといったらない。喚きがどんなにひどかったか、到頭一人の村人がききつけて寺の本堂へかけこんできた。もがき、喚いているのは裸体のまま柱にいましめられた坊主ひとり、大きな暗闇の中に蝋燭を握り、坊主の鼻先に小腰をかがめているお綱の姿は微動もしていなかった。キラキラと光る眼付で坊主の顔をむしろボンヤリ視凝めていたそうである。