轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふくろうのめ

梟の眼

大倉 燁子

「キング 一三巻三号」1937(昭和12)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,354 字 · 23 页

青空文庫

世界的のスリの名人、それがこの中にいるというのだが、皆立派な人ばかりで、怪しげな者は一人もいない、が、春樹はどうかして探し当てようと思いながら、次ぎから次ぎへとかわって行く相手の女に、注意深い眼をそそいでいた。

十二時を打つと同時に、ドラが鳴って、食事を知らせた。デザートのフォークを置くともう音楽が始った。忙しい、と口小言を云いながらも、皆愉快そうに、ナフキンをテーブルの上に投げ捨てて、ホールへ馳せ参じた。シャンペンに元気づいて、ふらふらする足を踏みしめながら、春樹は薄墨色の女と踊っていたが、その次ぎの時には、銀髪の肥った貴婦人の手を取っていた、見るからに金持らしいこの人は、年にも似合わぬ派手なネックレースをしていた、大粒のダイヤがぶらりと胸に垂れ下って、これみよがしに光っている。

酒の酔いが手伝って、すっかり大胆になっていた彼は、夢中に踊っているふりをしながら、背中に廻していた片手で、首筋に喰い入るようにめり込んでいる細い鎖を探ぐって環を外した、と、思ったら、するするとネックレースをポケットの中に辷べり込ませてしまった。銀髪の婦人はいい気持ちに踊っていたので、少しもそれを知らなかった。