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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

柳宗悦『民藝四十年』。同一底本的分册已合并为一书。收入:民芸四十年、改めて民藝について、四十年の回想。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 页

青空文庫

人間は在銘の作を作る時より、無銘品を作る時に、もっと自由さを持つであろう。禅で「平常心」を説くのは、「自在心」の深さを説いているに他ならぬ。封建時代の藩公などより、田舎者の百姓の方に、ずっと心の自由が味われていたのではあるまいか。民藝品を作り得た者に、一天地があった事をもっと見つめてよくはないか。これに比べるなら、在銘品の方にはずっと業因が深いと思われる。我執がつきまとうからである。汗を流して働いたり、沢山作ったり、安ものを作ったりする事は、何も呪わしい事とはならぬ。度が過ぎれば何事も不安定になるが、それらも心の自由を失う事に比べれば、大した支障にはなるまい。「平」という事が大切なのは、そこに自由と縁を結びやすい必然な理があるからである。

民藝品から吾々が教えられるものは、自由さの有難さ、深さである。それ故「民藝」という事で、見方を縛っては相すまぬ。民藝を縁に、自由をこそ学ぶべきではないか。「平の教」をこそ省みるべきである。茶人なら「平の茶」をこそ点てるべきである。どんな仕事も「平の仕事」でありたい。この「平」より深い東洋の理念はないのである。