轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どろぼうとわかとの

泥棒と若殿

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1949(昭和24)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,601 字 · 41 页

青空文庫

二

二

助けて呉れと云ったようでもある。だがそうではないかもしれない、「やい」とか「しゃらくせえまねをするな」というような罵しり声は、慥かに床下のほうから聞えて来た。――それから暫らくごそごそやっていたが、間もなく這いあがったのだろう、そこでまたぶつぶつ不平をこぼした。

「とんでもねえ家へへえっちゃった、がたがたですっからかんで、満足な建具ひとつ有りあしねえ、うっ、――ぺっぺっ、ちきしょう、なにか口ん中へとびこみあがった」

だがまだ諦らめきれないとみえ、納戸のほうへいってなにか掻きまわしていた。そのうちに天床から大きな石でも落ちたように、がらがらずしんめりめりと凄まじい物音がした。男は悲鳴をあげ、とびのくとたんに柱へ頭でもぶっつけたものか、ごつんという音がして、こんどはもっと大きな悲鳴が聞えた。

「おい、たくさんだ、もうよせ」成信はふきだしながらこう呼んだ、「――本当になにも有りあしない、捜してもむだだからやめるがいい」

ああ吃驚した、とんだめにあった、ひでえ家だ、なっちゃねえや。こんなことを云いながら男はこっちへ戻って来た。

「やい、本当になんにもねえのか」