轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はいかぐら

灰神楽

江戸川 乱歩

「大衆文藝」1926(大正15)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,262 字 · 27 页

青空文庫

二

両足が義足の様にしびれて、歩く度毎に、膝頭がガクリガクリと折れた。

どうして二階へ上ったか、どうして拳銃を拭き清めたか、それからどうして門前へ出て来たか、後で考えると、少しも記憶に残っていなかった。

門の外には幸い人通りがなかった。その辺は郊外のことで、住宅といっては、庭の広い一軒家がまばらに建っているばかりで、昼間でも往来は途絶え勝ちなのだ。殆ど思考力を失った庄太郎は、その田舎道をフラフラと歩いて行った。早く、早く、早くという声が、時計のセコンドの様に、絶え間なく耳許に聞えていた。それにも拘らず、彼の歩調は一向早くなかった。外見は、暢気な郊外散歩者とも見えたであろう。その実、彼はまるで夢遊病者の様に、今歩いているということすら、殆ど意識していないのであった。

二

どうして拳銃を打つ様なことになったのか、時のはずみとは云え、余りに意外な出来事であった。庄太郎は、彼自身が恐しい人殺しだなどとは、まるで嘘の様な話で、殆ど信じ兼ねる程であった。

庄太郎と奥村一郎とが、一人の女性を中心に、烈しい反感を抱き合っていたことは事実である。その感情が互に反撥して、加速度に高まりつつあったことも事実である。