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げんだいのふじんにつぐ

現代の婦人に告ぐ

大隈 重信

「大觀 第一卷第四號」大觀社、1918(大正7)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 页

青空文庫

この如きは出来ない相談である。これまで進化した人類が如何にして原始生活に戻り得るか。即ち今日に於てこの一夫一婦制を棄てて、自由恋愛の美名の下に、原人時代の雑婚に復帰せんとするは、これ明らかに社会的共同生活を呪咀し、これを根柢より破壊せんと欲するものに外ならぬ。人類は漸次に進化して、今では昔に比べればその身長も加わりその寿命も延びて来ておる。科学の発達せず医学の進歩せなかった以前までは、流行病の種類も頗る多く、一たびこの魔風に襲わるれば、夭死者の続出を免れぬのであったが、今では一般衛生の進歩と共に、伝染病学の研究もまた進歩してそのために犠牲者の数を著しく減じた。その他あらゆる方面に於て人類が人類自らを改善したることは枚挙し能うところに非ず。吾人は更に更に努力して、この進化を無限ならしめんとのみ勉めている。乱倫なる婚姻の行われるところには忌わしき花柳病が多く、而して花柳病ほどに人間の血を悪化するものは無い。されば時と共にこの男女両性の関係を進化せしめて、層一層に純正ならしめれば、層一層に健全なる小供が生るべく、従って全社会、全国家が、また層一層に改善されるに相違ない。