轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
徳田秋声『現代日本文学館8 徳田秋声』。同一底本的分册已合并为一书。收入:縮図、仮装人物。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 页
出口を塞がれたような青春の情熱が燻り、乏しい才能が徒らに掘じくり返された。彼はいつとなし自身の足許ばかり見ているような人間になってしまった。悪戯な愛の女神が後れ走せにもその情熱を挑き立て、悩ましい惑乱の火炎を吹きかけたのだったが、そうなると、彼にもいくらかの世間的な虚栄や好奇な芝居気も出て来て、ちょっと引込みのつかないような形だった。
庸三は昨夜もよく眠れなかったし、このごろの体の疲れも癒えてはいなかった。後になって葉子もたびたび逃げ出したし、庸三も逐い出したりして、別れた後ではきっと、床を延べて寝ることにしていたが、近所のドクトルに来てもらうこともあった。起きていると何か行動しなければならない衝動に駆られがちなので、静かに臥そべって気分の落ち着くのを待つことにしたのであったが、その時はまだそういうことにも馴れていなかった。後にしばしば彼の気持を支配して来た職業心理というものも混ざりこんではいなかった。ただ方嚮のない生活意慾の、根柢からの動揺でしかなかった。
子供は父を劬わりながら、並んで歩いた。
「やっぱりここにいるんじゃないかな。」
例の旅館の前まで来かかった時、子供もその気がすると見えて、そう言うのだった。