轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きけいのてんにょ
畸形の天女
江戸川 乱歩
「宝石 第八巻第十一号」1953(昭和28)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,893 字 · 35 页
どうせ二次会になるから、おそくなるかもしれないと、家には言いおいてある。夜の一時頃までに帰宅すれば、別状はないはずだ。
呉服橋の社からは、五分もかからなかった。
「今夜はおそくなるかもしれないと、奥さんに言っておいてくれたまえ。じゃあ、これで、君は帰ってもいい」
圭助は車をおりて、東京会館のグリルで簡単な食事をとった。そして、そこを出ると、通りかかった中型タクシーを呼びとめて乗りこんだ。
「上野駅」
ボロタクシーは、ひどく振動したが、これからの楽しみを思えば、少しぐらいの不愉快は問題でなかった。車が走っているうちに、彼はソフトをぬいで、ほそく折りたたみ、鞄に入れた。そして、鞄の中からハンチングを取り出して冠った。車の中では、それ以上のことはしなかった。
車をおりると、上野駅にはいって行った。彼は複雑な迷路のような上野駅の、こみ合っている群集の中を、わざと選んだ。迷路をグルグル廻ってから、人の少ない手洗所にはいった。そして、十分ほどして、出てきたときには、彼はまったくの別人になっていた。松永昌吉というのが、これからの彼の名前であった。
変装の種は、古本蒐集用の鞄の中に、そろっていた。