轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むし

虫

江戸川 乱歩

一~四「改造 第十一卷第六號 六月號」改造社、1929(昭和4)年6月1日<br>五~十二「改造 第十一卷第七號 七月號」改造社、1929(昭和4)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,053 字 · 86 页

青空文庫

そして、(以下三行削除)朝までは、眉が奇怪にしかめられ、顔全体が苦悶の表情を示していたのに、その表情は(二十一字削除)今彼女は、聖母の様にきよらかな表情となって、彼がふさいでやった唇の隅が、少しほころび、白い歯でニッコリと笑っていた。目が空ろだったし、顔色が蝋の様に透通っていたので、それは大理石に刻んだ、微笑せるそこひ(盲目の奇しき魅力)の聖母像であった。

柾木はすっかり安心した。さっきまでの焦燥が馬鹿馬鹿しく思われて来た。若し芙蓉のこの刹那の姿を、永遠に保つことが出来たら、そして、○○○○○○○○○○○、○○○○○○○○○○○○○○○○○○していられたら。

叶わぬことと知りながら、彼は果敢ない願を捨て兼ねた。

彼は医学上の智識も技術も、まるで持合わせなかったけれど、物の本で、動脈から防腐剤を注射して、全身の悪血を圧し出してしまうやり方が、最も新しい手軽な死体防腐法であることを読んでいた。防腐液のうすめ方も記憶していた。そこで、甚だ不安だったけれど、兎も角、それをやって見る事にして、階下から水を入れたバケツや洗面器などを運んで(婆やに気附かれぬ為に、どれ程みじめな心遣いをしたことであろう)フォルマリンの溶液を作り、注射の用意をととのえた。