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エタにたいするあっぱくのえんかく

被差別部落とは何か

喜田 貞吉

喜田貞吉『被差別部落とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:エタに対する圧迫の沿革、特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ、特殊部落の人口増殖、特殊部落の言語、特殊部落と通婚問題、特殊部落と寺院、特殊部落と細民部落・密集部落、沙門と屠児、来り人の地位と職業、遠州地方の足洗、エタと非人と普通人、エタ源流考、「特殊部落研究号」発行の辞、「特殊部落」と云う名称について、『切支丹と旧エタ』について、「エタ」名義考、編輯雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,169 字 · 267 页

青空文庫

しかしながら、本来日本人はみな狩猟・漁業の民でありました。神様にも動物の肉を供え、畏くも古代の天子様は、御親ら肉食を遊ばされたのであります。また今日では、一般人民殆ど肉食をせぬものはありません。また皮を扱うものを以て賤しいとも致しません。随分立派な身分の御方でも、皮革会社の社長になり、取締役になって、少しも疑わないのであります。されば実際上肉と皮とが穢多になるおもな原因であったとすれば、我らの祖先はみな穢多仲間であり、今日の日本人もまた穢多仲間に這入っているのであります。しからば職業としては、彼らの執っておった、また今も多くこれに関係しているところのものは、もはや解放されたと云ってよろしいのでありますが、それで以てなお多年の因襲の結果、何だか変ったもののように区別されているのであります。

肉食を以て穢れとするという思想は、実際日本には古くはなかったことであります。天武天皇朝におきまして、牛・馬・犬・猿・鶏の肉を食うことを禁ずという詔がありましたが、これは人間に益をなす家畜を殺すに忍びぬ、人によく似た高等動物を殺すに忍びぬという慈悲忍辱の心から来たので、その前にはこの類のものでも、遠慮なく殺して喰っておりました。