轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年10月~1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,828 字 · 181 页

青空文庫

「軍人は儲からないぞ」

「先生も儲からない」

とあって、この二つは今のところ殆んど志望者がない。

「商売が一番儲かる」

とは衆議の一致するところで、会社銀行の使用人になりたがるものが一番多い。中には家が誂え向きに商家だから、再来年卒業するともう直ぐ儲けに取りかかる決心のものもある。兎に角一番儲かることを考えながら、皆一生懸命で勉強している。

周囲がこんな風だから、僕は益※(二の字点、1-2-22)刺戟されて遠い先の職業問題に鋭敏になる。お父さんにお客さんを取次ぐにも名刺の肩書に注目して、これは儲かる商売か知らんと思う。電車に乗っていても、車掌運転手募集の広告を見て、苦しい割合に余り儲からない仕事だから気の毒と考える。

「あの男は三井へ入ったよ。迚も大きなところへ入るような腕はないんだが、手引があって裏門から入ったんだね。もう一人蟇公って男がいたろう?」

「いたいた。獰猛な奴さ」

「彼奴は安田へ入った」

「皆金のあるところへ入るね。川口は三越を狙っていやがったが、この間到頭入ったよ」

というような乗客同志の会話も、以前なら強盗の連類と解釈して恐れを為すところが、昨今ではその頭になっているから、直ぐに就職の問題と合点が行く。