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かいせつ しゅみをつうじてのせんせい
解説 趣味を通じての先生
額田 六福
「舞台 岡本綺堂追悼号」1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,362 字 · 11 页
入れ違って三橋(久夫)君が上ったが、その雨にはだいぶ困ったらしい。夏中の予定だったが、思えば憎い雨だった。
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ほんの一時だったが、写真機をいじられた事がある。震災後の元園町時代に、激しい神経衰弱にかかられた時、丁度素人写真流行時代だったので、大村(嘉代子)さんが、病気見舞に「これでも持ってゆっくりして下さい」と、ベストコダックを進呈された。
そこで、例の大使館前や清水谷公園や靖国神社なぞの、先生の朝夕の散歩区域の中で幾十枚かの写真が出来たはずであるが、どうなったか。その年の秋には、それをもって例の嫩会の連中と青梅から、多摩上流を氷川村まで行かれた。そこでも二本ばかり写された筈だが、それも今は見あたらない様である。私が写したのがアルバムにたった一枚残っている丈けである。そして、その遠足きりで写真機はどっかへしまって仕舞われた様子である。
椅堂と写真機、凡そ似つかわしからぬ風景の一つであるが、そう云う事もあった事丈け書いておきたい。そして、折角の大村さんの親切に報いるため、やがて一年あまりも持ちつづけられた奥床しさを今もなつかしく思う。
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