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ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

「現代」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,688 字 · 266 页

青空文庫

「6年少者だからといって、すべてに自分より後輩だと思ってはならぬ。年少者という者は馬鹿に出来ないものじゃ。ぐずぐずしているとすぐ追いついて来るのでな。だが……」

と、孔子は沈痛な顔をして、再び間をおいた。

「四十、五十になっても、徳を以て世に聞えないようでは、もうその人の将来は知れたものじゃ。」

そう云った孔子の声はふるえていた。

子貢は喪心したように、ふらふらと立上った。そして顔に手をあてたかと思うと、息ずすりして泣いた。

孔子もその時は眼に一ぱい涙をためていた。

1 子貢曰く、我人の諸(これ)を我に加うることを欲せざるや、吾も亦諸(これ)を人に加うる無からんことを欲すと。子曰く、賜や爾の及ぶ所に非ざるなりと。(公冶長篇)

2 子、子貢に謂いて曰く、女(なんじ)と回と孰れか愈(まさ)れると。対えて曰く。賜や何ぞ敢て回を望まん。回や一を聞いて以て十を知る。賜や一を聞いて以て二を知ると。子曰く、如かざるなり。吾女の如かずとするを与(ゆる)すと。(公冶長篇)

3 子曰く、仁に当りては師に譲らずと。(衛靈公篇)

4 子貢人を方(たくら)ぶ。子曰く、賜や賢なるかな。