轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
と間瀬君は感心して、間もなく辞し去った。
以上の会話によって察しられる通り、この二人は最近帝大の法科を卒業した。未だ職業にはありつかないが、縁談の方は早くも定っている。間瀬君は養子に納まって家賃で食って行こうという人だから、これでもう大体鳧がついた。見切りが好い。長い準備時代を終って十日とたゝない中に一生涯の運命を片付けてしまった。問題はもう一人の堀尾君だ。この男が種々のことを仕出来す。私達はこの青年について、もっと詳しく知って置く必要がある。
「それじゃ又何か用件を持って来いよ」
と言って、間瀬君を送る為めに立ち上ったところを見ると、堀尾君は身長五尺七寸の大男だ。貧弱な下宿屋の鴨居に頭が閊える。風采は生地の学生時代にロマンスがあったという丈けに眉目秀麗で通る。間瀬君ほど強度ではないが、矢張り近眼鏡をかけている。その奥底から覗いている眼が鋭い。目的の為めに足の一本ぐらい折り兼ねない負けじ魂が光る。
「堀尾さん、郵便でございます。書留と唯の」
と女中がニコ/\して取次いだ。堀尾君は単に、
「御苦労」
と言って受取って、先ず書留から開封した。
「御書面拝読、其後両親初め一同無事消光罷在候間御安心被下度候。