轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「もう皆出勤していましょうから、御紹介申上げます」
「万事宜しくお願い申上げます」
「木下君以外に御存知の方がおありですか?」
「ございません」
「附き合って見ると皆好い人達ばかりですよ。それじゃ参りましょう」
と亀田さんが先ず立った。
編輯局は大きな部屋で、幾つかに区切りがしてあった。それに机が並んで、各部が割拠している。社会部は経済部の隣りだった。堀尾君は二十名ばかりの同僚に引き合せて貰った。
「諸君、今度入った堀尾君です。宜しく」
と唯それ丈けだった。
「何うぞ宜しく」
と堀尾君は鄭重にお辞儀をしたが、諸君は一斉に頷いたばかりで歯牙にかけない。直ぐ旧の姿勢に戻って、夫れ/\仕事や雑談を続けた。
「君の席はこゝです」
と亀田さんが指定してくれた。
「有難うございます」
「掛け給え」
「はあ」
と堀尾君は席についた。
「三輪君、三輪君」
と亀田さんは話し込んでいた隣りの男の肩を突いた。
「はあ」
「堀尾君を宜しく頼む」
「承知しました」
と三輪君は合点首をして、堀尾君の顔をジロ/\見た。
「亀田君、一寸々々」
とその時隣りの区劃から呼ぶものがあった。亀田さんはその人と二人で出て行ってしまった。