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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页
後にはこれも京都蓮台野から出て、相変らず小法師と呼ばれ、年七石の御扶持米を頂戴しておった。これが為にその子孫は、明治三十幾年かにその由緒を申し立てて、士族に編入されているものもある。これらは昔の長吏法師の下にあった小法師の名称が、彼らの本来法師であったことを忘れた後までも、たまたま保存されたものである。
かく法師という名称がもっぱら賤者に呼ばれるようになったが為に、法師という語は、相手を軽侮するような場合に用いられることとなった。今も大和吉野の山間十津川郷では、人を罵るに、「何だこの法師が」などというそうである。かく法師という語が一種の賤称となった為に、自然に忌避せられるようになり、戦国時代の頃から、「法師」に代うるに「坊主」という語を以てすることが流行り出した。「坊主」という語は、鎌倉時代から既に物に見えて、一坊の主の称である。されば蓮如上人の御文などにも、「坊主」という語はたくさん見えて、決して軽侮の語ではない。法師と呼ばれては嫌がるが、坊主と云われれば喜ぶというのが、当時の有様であった。したがって坊主という語が段々濫用される事になり、今川氏真の如きは、永禄四年にわざわざ令を発して、「諸末寺の塔主看院等、本寺に断らずして坊主と号し、恣に居住するを得ず」