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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页

青空文庫

けれど、自分のものを、かしてやって、しかられるわけはないので、

「物置にあるわよ。」と、かね子さんはいいました。

「あれは、ぼくんだい。」と、小山は、妹をにらみました。

「いいえ、あれは、私のよ。」

「ぼくが、手工をするのに、お母さんからもらったんだい。」

友だちは、二人の方を見ていましたが、

「小山くん、かしてね。」と、信一が、いいました。けれど、小山はだまっていました。

「ねえ、辰雄くん、いいだろう。」と、善吉がいいました。

「ぼく、べいを持っていないから、つまんないもの。」と、小山が答えました。

「ござをかしてくれれば、一つあげるよ。」と、勇二が、いいました。小山は、急に、たのしそうな顔色になりました。

「ほんとうかい。」と、小山は、かけだしました。

「だれが、うそをいうもんかね。」と、武夫と勇二は、顔を見あって、にっこり笑いました。

小山は、ござをかかえて、もどってきました。このとき、かね子さんは、

「光子さん、あっちへいって、じゅずだまを取りましょうよ。」と、いいました。草むらの中には、つゆくさがむらさきの花を咲かせていました。へびいちごの赤い実が、じゅくしていました。