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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页

青空文庫

あちらでは男の子たちが、べいにむちゅうになっています。

「ござが新しいから、気持ちがいいね。」

「勇ちゃんの角は強いなあ、辰ちゃんの一つしかないべいがすっとんでしまった。」と、善ちゃんが笑いました。

小山は、しょげてしまいました。せっかく、勇ちゃんがくれたのに、また勇ちゃんに取られてしまったからです。

「ぼくが、一つあげよう。」と、こんどは、武夫が一つこまを小山にやりました。

「やりとりしっこなしなんだろう。」

「うそっこでは、つまんないや。」

「わかると、先生にしかられるよ。」

「ああ、いちばんあとで、みんなかえそうや。」

みんなで、そんなことをいっていると、

「ぼく、もうかえろう。」と、小山がいいました。

「かえるの? もっとあそんでおいでよ。」

「勉強しないと、お母さんにしかられるもの。」

小山は、しいてあるござを取りかかりました。

「辰ちゃん、かしておきよ。すんだら持っていくから。」と、武夫がいいました。

「よごすと、手工のとき、こまるもの。」

「そんな、いじわるをいうもんでないよ。」

「ほんとうだい。ござがなければ、べいができないじゃないか。」と、勇二が、おこり出しました。