轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あしがるほうこう

足軽奉公

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1945(昭和20)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,949 字 · 28 页

青空文庫

と大喝し、若侍たちの前に立ち塞がった。

「……貴公たちこの人数で、足軽一人をとり籠めてどうしようというのだ、武士の体面を思え、手出しはならんぞ」

そう叱りつけながら藤六にふり返った。

「此処はよいから帰れ、追って沙汰をする、早く立ち去れ」

「それでは仰せのままに」

藤六は会釈をするとそこへ槍をおき、しずかに庭から出ていった。

住居へ帰って、妹にどう云おうかと思いあぐねていると、組がしらの笹沼市蔵が駆けつけて来た。

「仔細は聞いた」

市蔵は息を切らして、金包と思えるものを差出しながら、

「……槇山どのが始末の扱いをなさるという、そこもとは即刻ここを退去して呉れ、これは槇山どのから当座のご餞別だ」

と云った。

「わたくしは立退きますまい」

「その気持はわかる」

市蔵は忙しく頷いたが、

「……しかしそこもとがいると、この騒ぎは大きくなる、侍と足軽ぜんたいの騒動にもなり兼ねない、そこもとの人物は老職がたにもわかっているから、追って帰参のかなうようにする、槇山どのはそう仰しゃる、前後の事情をよく考えて、ともかくここは退国して呉れ」

かれがいては騒ぎが大きくなる、それは疑いのないところだった。