轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こんじきのし

金色の死

谷崎 潤一郎

「東京朝日新聞」1914(大正3)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,997 字 · 46 页

青空文庫

容易に涸渇する筈がないと信じて居た私の思想は、此処に至って忽ち行き詰まって了いました。自分は生涯斯くの如き苦痛を犯して、生活の為めに愚にも付かない「お話」を書き続けなければならないのか。そう考えると芸術家ぐらい非芸術的な、無意味な月日を送るものはないと云うような心細さに襲われました。

心細いにつけても想い出すのは岡村君の事でした。あまり久しく会わないので、或る日私はふと思い立って彼の邸を訪問して見ました。折よく在宅して居た彼は、応接間の椅子に腰を掛けた私の姿を眺めながら、

「暫く会わない間に君は大そう痩せたなあ。」

と云いました。私は其の部屋の鏡に映って居る二人の顔を見較べて孤影悄然たる自分の風采に耻入りました。すると彼は突然例の歓しげな眼を光らせて、

「君、僕は今度から伯父の監督を離れて、財産を自分の自由にする事が出来るようになったんだよ。此れからいよ/\僕独得の芸術を作り出すから見て居てくれ給え。」

「それではいつか話しをしたような詩を作るのかね。」

「詩でも絵画でも彫刻でもない。そんなまどろッこしいものよりももっと短的な、そうしてもっと大規模なものだ。