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ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
「長崎の鐘」日比谷出版、1949(昭和24)年1月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,109 字 · 131 页
つまり、核が二つに割れる際にその一部の質量が、いいかえれば物質が忽然として消滅し、それと同時に一定の同等量のエネルギーが発生するのだ。つまり原子爆弾のエネルギーがそれなんだ」
「物質がエネルギーに忽然として変わるんだ」
「そうだ。物質の質量に光の速度の自乗を乗じた積が、その質量のエネルギーなんだ」
「光の速度が約三百億毎秒センチだから、その自乗とは素晴らしく大きい数だが、一グラムの質量がエネルギーに変わるとすると、一体どのくらいになるだろう」
「まあ概略の計算をすれば、一グラムの物質がエネルギーに変わると、一万トンの物を百万キロ運ぶだけの力となるね」
「うへえ!」
「この浦上を潰した原子爆弾にしたところで、そりゃ原子もかなり大量に使ったろうし、いろいろな器械で、弾体は魚雷くらいの大きさはあったかもしれないが、正真正味消費せられた原子の質量は、おそらくは何グラムという小さいものだろう」
「すごいな。だがたくさんの原子核を一時に分割するには中性子をどうして発射する?」
「それがまた都合のいいことには、ウラニウム原子核がフィッションを起こすと、ガンマ線も出るが、大体二個の中性子も飛び出すのだ。