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ゆき
雪
中谷 宇吉郎
「雪」1938(昭和13)年 11月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,536 字 · 152 页
4 樹枝状平板結晶
4 樹枝状平板結晶
この種類が従来雪華の代表的なものとされていたもので、美しい六花状の平板結晶である。この種の結晶は、六方晶系の底面内に発達したもので、例えば水晶を縦の軸に直角に切ると、切り口は六角形をしている、その六角形を延長した面内に発達したものである。樹枝状というのは結晶の発達する形の一種で木の枝のように沢山枝分れしたものをいうのである。樹枝状の一番簡単なものは中心から六本の枝が伸び出ただけのもので、それを星状と名付けることにする。それに沢山小枝がつくと普通の樹枝状になるので、その中でも特に細い小枝が沢山出て羊歯の葉のような形になったものを羊歯状と呼ぶこともある。また枝の幅が広くなることもあってそれは広幅六花ということにする。これらの枝の出方は主として出来る時の水蒸気の供給の過大度によって決るので、羊歯状即ち小枝が沢山出る時は水蒸気が著しく多く、枝の幅が広くなって全体として角板の性質が多くなるのは、水蒸気の供給度がより少いためなのである。広幅六花よりも更に水蒸気の供給度が少くなると扇形のものが六枚集った形になり、もっと少くなると六角板になるのである。