轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きりをけすはなし
霧を消す話
中谷 宇吉郎
「思想」1945(昭和20)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,903 字 · 16 页
「連合軍のドイツ補給線に対する戦略爆撃がわが攻勢を挫折せしめた」とフォン・ルントシュテットは嘆じた。英国のミッドルセックス州に新設されたヒース・ロウの飛行場を初め、灸所々々の飛行場に、霧の人工消散装置FIDOが施置され、それが実戦的に役に立つまでに到っていたことが、不幸にしてドイツ軍に充分よく知られていなかったのであろう。英空軍先導機隊司令官ベネット空軍中将は「戦争がさらに二年継続するのを救ったのはFIDOである。もしかのルントシュテット攻勢が成功していたならば、たしかに戦争はもう二年つづいたであろう」と言うが、その言葉の真実性は或る程度まで認めなければならないであろう。
英空軍が霧の人工消散に本腰を入れ始めたのは、この記事によれば、一九四二年即ち昭和十七年の秋であった。大戦初期においてロンドンはドイツ空軍の大爆撃によって今一息というところまで追い詰められた。一九四〇年から四一年にかけての冬の爆撃をロンドンで体験した友人T君の話によると、それは文字どおり今一息というところであったらしい。ドイツ空軍は大陸の晴れた飛行場から飛び立つ。英本土の飛行場は濃霧にとざされている。