轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
——二川家殺人事件
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,792 字 · 82 页
血続きとはいいながら、重明は僕にそっくりだった。その事が僕をどんなに喜ばしたか、君はよく知って呉れている筈だ。
お清は余り長くつけて置いては悪いと思って、適当な時機に暇を与え、一生を楽に暮せるようにしてやろうと思っている。もしそれまでに僕が死ねば、朝子がそうするだろう。
この遺書の事は朝子に全然いっていない。だから、大へん勝手な願いであるけれども、何か事が起って、君の力を借りなければならなくなるまで、君はこの事は知らないふりをしていて呉れ給え。むろん、そういう事をする君ではないと思うが、僕は重明の夢を破りたくない。彼は朝子を母と信じているのだ。朝子も本当に我子のように思っている。
出来るならば、この秘密は永久に葬って終いたいと思う。今までの関係者以外に洩れないで、関係者達もそのまゝ墓場へ持って行けるように、僕は心の底から祈っているのだ。
万々一、何か起った時に、頼みにするのは君一人だ。その時こそ、どうか朝子の力になって、世間に洩れないように処理して呉れ給え。
生前は我まゝばかりいって済まなかった。死後も尚君の友情に頼らなくてはならない僕を哀れに思って、許して呉れ給え。