輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁
あるかなしかにともされた灯で、別殿の奥の寝室は、淡い桃色にほのめいてい、引き廻されている銀屏風や、その中に豊かに華美に艶かしく、敷き設けてある夜の衾や、脇床に焚きすてて置いてある、香炉などを朧ろに見せていた。
恐怖と疲労からとであろう、浮藻は衾を引きかずき、髪の一摘みを見せたばかりで、屏風の中に打ち伏していた。
不安におののいているからであろう、衾に荒い呼吸づかいが、動きとなって現われている。
と、隣室に人気がし、
「お奥に……」
と女の声がした。
「よし」
という男の声が応じ、つづいて静かに立ち去って行く、女の衣摺れの音がした。
衾が恐怖で烈しく顫えた。
香の煙りが流れて来て、屏風を越した衾の上で、淡くウネウネと蜒って見せたが、はかないものの例えかのように、次第に薄れて消えてしまった。
と、襖があけられて、大仏陸奥守が現われた。
屏風の上から覗くように、中の様子をうかがったが、満足らしく微笑した。
やや手荒く屏風をひらき……
「わッ」
と陸奥守はノケゾッた。
衾を踏んで突っ立ったは、金剛杖を握った範覚であった。
「おのれ! 曲者オ――ッ」
と陸奥守が、喚きを上げて起き上がり、逃げようとする脾腹の辺りを、金剛杖の二度目の突きが突いた。