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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁
沼辺の飛天夜叉
「六波羅殿からの加勢を待って、一挙に猟り立て捕えるのじゃ」
「六波羅殿から加勢が来るとな?」
「とっくに注進してやったのじゃ。……五百か千の援兵が、もうソロソロ来る頃じゃ」
「へえ、そうか、知らなかった。いやそれなら安心だ。……それはそうときゃつどうしたか? 円信め、いつまで何をしているか※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
云い云い範覚は林の方を見た。
と、そっちから悲鳴が起こった。
「こいつおかしい、俺が行ってみて来る」
金剛杖を小脇にかかえ、林の方へ走って行った。
沼辺の飛天夜叉
沼の対岸の林の中に、飛天夜叉組は屯していた。
桂子と浮藻と千寿と朱丸と、そうして小次郎とを円く包み、鉞をひっさげた右衛門や、鶏娘や、泣き男や、笑い男や、幽霊女が、何の不安もなさそうに、安心しきった様子をして、小声でしめやかに話していた。
俺らの大将は桂子様だ。どんな大事にも驚かず、神変不思議の術を用いて、どんな危難でも突破して行く、そういう飛天夜叉の桂子様だ。何んの恐ろしいことがあるものか。――こういった心持ちがあるからであった。
で、安心しきっているのであった。
熊の皮や猪の皮が敷かれてあり、その上に桂子たちは坐っていた。