輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁
火桶ばかりでは暖かさが足りぬと、部屋の一所に切ってある炉で、さっきから炭火を焚いていたが、兵衛はさらに炭を加えた。
「世上この頃の噂でござるが……」
と、兵衛は真面目な口調で云った。
「赤坂城を落ちさせられた大塔宮様には、山伏に姿をおやつしになり、熊野方面へお入りとのこと、おいたわしいことに存じまするな」
一座にわかに森然となった。
上座に端然と坐ったまま、兵衛の話に微笑を含みながら、耳を傾けていた若い先達も、その微笑を顔から消し、爾余の八人の山伏たちは、互いにそっと眼を見合わせた。
が、主人の戸野兵衛は、そういう変化などには気がつかないとみえ、
「神武天皇様ご東征の際、熊野において八咫烏が道案内をいたしまして以来、熊野地方も宮方でござって、王事に尽くしたものでございまするが、現在の熊野の別当職、定遍僧都は遺憾ながら無二の武家方でございますれば、大塔宮様熊野におわすと知らば、よもや見遁がしはいたしますまい……」
「ははあ」
とこの時平賀坊こと、平賀三郎が漠然とした声で、何んとなく曖昧にそう云った。
「熊野三山の別当定遍、そのように武家方でござるかな」
「無二の武家方にございます。