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せかいのいっかんとしてのにほん
世界の一環としての日本
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁
現象上の事実としては勿論没交渉ではないが、原則上両者は別なのである。その限り「ヒューマニズム」を振りかざすことが日本文化の伝統を振り翳すことと原則上反対の態度であることを忘れてはならぬのだ。ヒューマニズムとは文化上の日本主義の延長ではなくて、却って日本文化的伝統の止揚の問題なのだ。伝統主義的乃至回顧的なロマン主義はヒューマニズムと凡そ反対なものだということを、特に注意しておかなくてはならぬ。
第二の問題は併し、このルネサンス的ヒューマニズム元素が、現在の日本に於てどういう形を取っているか、又取るだろうか、又取るべきか、である。だが夫には現在の日本に於て所謂「ヒューマニズム」と呼ばれるものが少なくとも一時(之はこの主題の名の下ではそう何時までも続くとは考えられない――或いは一年経たぬ内にこの言葉が魅力を失って了うかも知れない)台頭して来たのが、どういう条件に立脚したものかを、見るのがいい。
ヒューマニズム(寧ろヒューマニズム論議)の流行は云うまでもない、何等かの特定な意味でのヒューマニズムの最近に於ける提唱は、何と云っても「マルクス主義思想の退潮」