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せかいのいっかんとしてのにほん
世界の一環としての日本
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁
五 玩具としての図書館
遙々上野の図書館へでも行かない限り安心して読みに行くことは、この忙しい世の中で一つの冒険のようなものだ。一流の図書館へ行って見て、私の持っている平凡なあり触れた日本語の本の内、一体幾冊を見出すことが出来るだろうか。日本人が一流の図書館で日本の平凡な出版物を読むのに、運を天にまかせて行きあたりバッタリにこれあれの本に眼を通すということは、全く文化上の悲喜劇に数えられねばなるまい。
たとい本はあっても入場することが容易でなく、入って見ると研究書を借りるためではなくて受験勉強のための椅子を占めるために、押しかけている生徒で満員なのである。これは何といっても国際的にも恥かしい現象の一つだ。
五 玩具としての図書館
日本の図書館の大部分は研究のための施設として用いられずに、受験勉強や閑つぶしや娯楽のための施設として用いられる。これも確かに図書館の用途の重大なものの一つではあるが、しかしこれは決して図書館の名誉となるものではない。図書館と読書館との区別、それから研究図書館と学生用図書館との区別位いは、あってもいいのではないかと思う。自分の本を一日ユックリ邪魔されずに読める室の施設は、図書館の他に必要なのだ。