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せかいのいっかんとしてのにほん
世界の一環としての日本
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁
――之はラジオに慣れている吾々に取っては余りに当然なことのように思われるかも知れないが、併しラジオと新聞と、どこにそんなに社会的権威の相違が吾々に事実感じられているだろうか。現在吾々はラジオも新聞も全く同じ信用と不信用とで以て聴いたり見たりしている。日本放送協会が唯一のものだから権威があるというなら、日本の大新聞はどれも之も本質的には同じ記事しか載せないのだから、つまり日本新聞協会が唯一のものだと考えれば済む訳だ。それに放送局は大新聞の数に劣らず多数存在している。もし又日本放送協会が事実上半官半民の法人で日銀や満鉄の様なものだから広告がいけないと云うなら、官報さえが広告を載せていることを思い起こすべきだ。
こう考えて来ると、なぜラジオで広告を許さないかが一寸判り兼ねるのだが、よく考えて見ると、つまり之は私的な報道や見解を許さないという言論統制の大精神から出発しているということが判る。尤もラジオ側は之を言論統制などという不景気な特徴では云い表わしたがらない。放送の客観性と中立性、普遍的通用と一般的関心、と云ったようなことが目標なのだと云うに相違ない。