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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

一九三七年度の日本における社会情勢、特に思想を中心として見るべき情勢もまた、この昨年来の中和的右翼化の持久的過程が持ち越され、また可なり円滑に加速度を与えられるのではないかと考えられる。

内閣がどのような運命に逢着するか、議会がどの程度の政府乃至軍部に対する批判を実力化することが出来るか、支那大陸における日本の事情がどう変化して行くか、これはもちろん今から予断出来ないことだ。しかし、こうした事情の推移によって、日本の社会そのものの具体的な事情が決定されて行くのはいうまでもないのだから、全く社会が今年を通じてどういう相貌を呈するかを予言することは、易断か大本教ででもなければ不可能なことだ。だがこういういわば今から見て単なる可能性に止まっている処の色々の偶然を介して、そこに現われるだろう社会事情の本質や本筋は可なり明らかであるように見える。

一言にしていえば「日本」的ファシズムの逐次的な発育であり、それと共に日本型に固有なファシズム形態が或る程度まで世界の先進又は先着ファッショ国家の社会的推移の轍を踏んだり、その規格に合致する結果になったりして、一般的なファシズムの形態に接近することだ。