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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁
それから兵を進めてまず崑崙関を破り、さらに智高を破り、管を平らげ、凱旋の時にかの廟に参拝して、曩に投げた銭を取って見せると、その銭はみな両面であった。(鉄囲山叢談)
古御所
洛陽の御所は隋唐五代の故宮である。その後にもここに都するの議がおこって、宋の太祖の開宝末年に一度行幸の事があったが、何分にも古御所に怪異が多く、又その上に霖雨に逢い、旱を祷ってむなしく帰った。
それから宣和年間に至るまで年を重ぬること百五十、故宮はいよいよ荒れに荒れて、金鑾殿のうしろから奥へは白昼も立ち入る者がないようになった。立ち入ればとかくに怪異を見るのである。大きな熊蜂や蟒蛇も棲んでいる。さらに怪しいのは、夜も昼も音楽の声、歌う声、哭く声などの絶えないことである。
宣和の末に、呉本という監官があった。彼は武人の勇気にまかせて、何事をも畏れ憚らず、夏の日に宮前の廊下に涼んでいて、申の刻(午後三時―五時)を過ぐるに至った。まだ暗くはならないが、場所が場所であるので、従者は恐れて早く帰ろうと催促したが、呉は平気で動かなかった。
たちまち警蹕の声が内からきこえて、衛従の者が紅い絹をかけた金籠の燭を執ること数十対、そのなかに黄いろい衣服を着けて、帝王の如くに見ゆる男一人、その胸のあたりにはなまなましい血を流していた。