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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《剣侠受難(けんきょうじゅなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 頁

青空文庫

第二の恋

しかも恐ろしい兵法家! 一味は兇暴、命知らず。……で、お助太刀を願うのでござる」

はじめて敵の何者かを、銅兵衛うち明けたものである。

広太郎自身からいう時も、お京様を一時監禁した、天草時行そのものは、まさしく敵といってよかった。そいつを相手に戦うことは、むしろ痛快なことであった。「よし一番戦ってやろう」決心のほぞはかためたが、気にかかるは巻軸である。

「さてご老人、助太刀の儀は、拙者誓ってお引き受け致す。ついては多勢の人々が、そうまであらそう巻軸なるものの、内身はいったいなんでござるな?」思い切ってきいたものである。

第二の恋

巻軸の内容はなんであるか? こう広太郎にきかれた時、銅兵衛の顔は充血した。しかし結局語らなかった。

「九州島原、原の城、落城の前に持ち出された、絶対秘密の巻軸でござる。巻軸、城より持ち出されたため、原の城は落ちたのでござる」わずかにこういったばかりである。

もうこれ以上は聞かれない。断念をした広太郎、銅兵衛の屋敷にとどまって、薀蓄を傾け防戦準備、それに専心することにした。

一日二日たつうちに、腑に落ちないことが出来て来た。君尾に対する銅兵衛の態度が、なんとなく、ピッタリ来ないことであった。