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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《剣侠受難(けんきょうじゅなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 頁

青空文庫

山の小父さん

「何者?」と叫んだは牧野兵庫。

「丸橋忠弥」と折り敷いた。槍の柄が血のりでぬれている。

「いくさの勝負? 敵は何者? 銅兵衛はどうした? 君尾はどうした?」頼宣卿たたみかけた。

山の小父さん

「残念!」と忠弥まず叫んだ。「島原の残党天草時行。こやつが敵にござります! 味方に裏切る者があって、伏せた地雷が役に立たず、そこを目がけて裏手より、敵ムラムラと乱入し、一挙に本陣武器蔵をつき、銅兵衛殿には鉄砲にあたり……」

「おっ!」と頼宣こぶしを振った。「ううむ銅兵衛やられたか!」

「気息奄々、断末魔!」

「姫はどうした、君尾はどうした※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

「文三と申す裏切り者、もったいなくもかどわかし!」

「残念!」と頼宣、おどり上がった。

「ただし袴広太郎という義士、追っかけてゆきましたと申すこと」

「銅兵衛に逢いたい! のしくだせ! 槍をもて! さあ続け!」

「殿!」と兵庫、さえぎった。「千金の御身、かかる場合に!」

「だまれ!」と槍をひっ抱え、「京姫! 京姫! そちもつづけ! 修羅の戦場! 一度は見ておけ!」

サ――ッと盆地を駈け下りた。

後追っかけた五十人、頼宣卿を真ん中に、火焔をくぐって突き進む。