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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
大磯、小田原と宿継ぎに飛ばして、ここが四里。日あしの長い初夏の日にも、もう夕ばえの色が見えました。
普通の旅なら、むろんここで一宿していい刻限であるが、追えど走れど、行徳助宗とおぼしき姿も影も見えないのです。
「ああ苦しい、なんとか鳴りつづけていきてえんだが、声が出ねえや。だんなえ! このあんばいじゃ、助宗の野郎も、早駕籠を飛ばせていったにちげえねえですぜ」
「決まってらあ。だからこそ、こっちも早にしたんじゃねえか。いよいよ箱根だ。一杯ひっかけて、景気よく走ってくんな!」
人足たちがどぶろくをあおる間に、名人主従ははや握りのむすびで腹をこしらえて、いよいよ箱根八里の険所にさしかかりました。のぼり、くだり、合わせて八里とあるが、正確にいえばお関所までの登りが四里八町。下りの三島までが三里二十八町。
坂にかかったとなると、いかに屈強、早足自慢の人足たち六人が肩を替えつつ急いでも、今までのようにはいかないのです。
あえぎあえぎ、夜道を登りつづけて、天下名代のお関所門を、おりからの星やみに見つけたのは、かれこれもう真夜中近い刻限でした。もとより、門はもう堅く閉まって、わきには名代のお制札がある。