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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
またこう言われることが嬉しくないのならば、今この場でそれはお言葉が違いますとキッパリ言わないのだ。
どちらともつかないお君は、何とも返事をすることができないで、やはりこの殿様の膝元に泣き崩れているのを、能登守はその背中へ軽く手を当てました。
「殿様、それでも……あの、奥方様がこちらへおいでになりました時は、わたくしの身はどう致したらよろしいでござりましょう」
「ナニ奥が? あれは病気で、とても、もう癒るまい」
「おかわいそうなことでござりまする、どうぞお癒し申して上げたいことでござりまする」
「癒してやりたいけれども、病が重い上に天性あのような繊弱い身で……」
「さだめて御病気中も、お殿様のことばかり御心配あそばしてでござりましょう、それがためによけい、お身体にも障るのでござりましょうから、おいとしうてなりませぬ」
「あれは存外冷たい女である――自分の病のことも、我等が身の上のことも、さほどには心配しておらぬ、物の判断に明らかな賢い女ではあるけれど……」
能登守の述懐めいた言葉のうちには、その奥方に対する冷静な観察と、自然何か物足らない節があるように見えます。