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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

それとも知らずに竜之助は、

「こんなところで死にたいな」

と言いました。けれどもそれは嘘です。竜之助がこう言ったのは、それは、あんまり日の当りがよくて、そこに足腰をゆるゆると伸ばした心持が譬え様がないから、そう言ったのだけれど、お銀様は、やはりその言葉を不吉の意味があるもののように聞いて、

「石になっては詰りませぬ」

お銀様はこう言いながら、ほとんど二人並んで寝るように片手を伸べて、竜之助の頭の石塔の石を撫でました。石を撫でながら、なにげなく石の裏を見ると、そこに、「二十一、酉の女の墓」と小さく刻んであるのが、図らず眼に触れてゾッとしました。その気になって見れば、この石塔の前面には何の文字もなくて、裏にだけ遠慮をしたもののように「二十一、酉の女の墓」と刻んであるのが異様です。なお他にある総ての墓とは、ほとんど除物のようにされて、この墓だけが一つ、ここに置かれてあることも異様です。

それよりもまた、お銀様の胸を打ったのは、昨夜調べてみた「悪女大姉」の位牌の裏の文字が、これと同じことの「二十一、酉の女」の文字であったことです。

この文字を見た時にお銀様は、蛇を踏んだような心持になりました。