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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
第一番の桟敷から、女中の取締りでもしているような女房が一人、案内を乞う声によって、狼狽したのはお君の方ばかりではありません、その召連れて来た女中たちまでが不意の案内で驚かされました。
「どなた様」
お君の方の老女は迎えに出ました。
「筑前守内より使に上りました」
「筑前守様のお内から?」
それでお君の方の一座はハッとしました。
「これは、まことに粗末な品でござりますれど、能登守様のお内方へ差上げ下さいまするよう、主人からの言いつけでござりまする」
使に来た女中が捧げているのは、蒔絵の重に酒を添えて来ているものらしくあります。
「それはそれは」
お君の方の一座は、恐縮したり当惑したりしてしまいました。
この際、こんなことをされては有難迷惑の至りで、もしそれをせねばならぬ礼式があるならば、こちらから先にするのが至当でありましょう。それを向うから持って来られてみると、好意を受けないわけにはゆかないし、またその好意なるものが、形式一遍の好意ではなくて、なんとなく底気味の悪い好意として見られ易いのです。
「こちらから御挨拶に出ねばなりませぬところを、斯様な結構な下され物、なんとお礼を申し上げましてよろしいやら……ともかく、有難く頂戴いたしまする、後刻、改めて御礼に……」