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ようかいはかせ

妖怪博士/青銅の魔人

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《妖怪博士/青銅の魔人(ようかいはかせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,920 字 · 421 頁

青空文庫

さいぜん、おかあさまは泰二君をしばりましたけれど、むろんまねごとに細引きをまきつけたばかりですから、とこうと思えば、泰二君自身でやすやすととけるのです。

おかあさまは、それが泰二君にちがいないとわかると、泥棒にはいられたよりも、もっとおそろしく感じました。いよいよ泰二君は頭がくるったのではないかしら、何かの悪魔にみいられたのではないかしら、と考えられたからです。

そこでおかあさまは、足音をしのばせて、ソッとその黒い影に近づき、

「泰ちゃん、泰ちゃん。」と、小声に呼びました。

そこまで近づいてみますと、もう、まぎれもなく、その怪人物は泰二君でした。それなのに、いくら声をかけても、まるでつんぼにでもなったように、返事もしなければ、ふりむこうとさえしないのです。

そして、グングンと廊下を進んで、おとうさまの洋室の書斎の前まで来ますと、いきなり、そのドアをひらいて中へはいっていくではありませんか。

おかあさまはあまりのきみ悪さに、もう声をかける勇気もなく、ただ胸をおどらせて、ドアの外から、わが子のしぐさを、じっと見つめているばかりです。

書斎にはいった泰二君は、まず壁のスイッチをおして、電灯をつけ、それからわき目もふらず、部屋のいっぽうのすみへ歩いていきます。