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ようかいはかせ

妖怪博士/青銅の魔人

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《妖怪博士/青銅の魔人(ようかいはかせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,920 字 · 421 頁

青空文庫

怪人の正体

てある梯子がわりの金物に、手足をかけて、グングン煙突をのぼりはじめました。

空へ逃げようとでもいうのでしょうか。しかし、いくら煙突をのぼってみても、まわりをとりかこまれていては、逃げられるはずがありません。ひょっとしたら、怪物は煙突の頂上までのぼると、風船のように身が軽くなって、やみ夜の空高く飛びさってしまうのではないでしょうか。

お湯屋の煙突などよりもずっと高い煙突です。怪物はそれを機械でできたサルのように、すこしも休まず、非常な早さでのぼって行き、もう懐中電灯の光もとどかなくなってしまいました。しかし、やみ夜にもほの白くそびえている煙突を、黒い影がグングンのぼって行くのが見えます。

黒い影は上に行くほど小さくなって、とうとう大煙突の頂にたどりつきました。そして、そのはるかの天空から、あの金属をすりあわせるような、キーッ、キーッという、いやな物音が、下界の人々をあざ笑うように、気味わるくひびいて来るのでした。

怪人の正体

それから四五十分のち、煙突のまわりは火事場のような騒ぎになっていました。中村係長のきてんで、もよりの消防署に電話がかけられ、一台の消防自動車が、小型の探照灯まで用意してやって来たのです。