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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
それから、図面によって、部署をきめ、人数を割り当てなどしてから、彼は、
「――かかれえッ!」
と、戦争を開始するような勢いでどなった。
勿論。
彼の腹心ではないが、仕事の下役として、きのうまでの侍たちも、与力していた。
その一人に、拍子木と、太鼓番をいいつけた。
藤吉郎が、かかれというと、太鼓番は、太鼓をたたいた。一鼓六足を踏んで、敵陣へ迫ってゆくように太鼓は鳴った。
かち。かち。かち……
拍子木は、休息だった。
「休め!」
と、彼は石の上に突っ立って、号令していた。休まないでいる者がいると、休めッ、と叱った。
俄然、仕事場の空気は、きのうまでの惰気を一掃して、戦場のような眼つきと、汗の殺気がみなぎった。
だが、藤吉郎は、黙って見ていながら、
(まだ、まだ、こんなことでは――)
と、決して満足な顔いろではなかった。
労働する者は長い労働の体験から教わっている狡い体の使い方を知っている。よく働いているように見せかけながら、実は真実の汗はしぼっていないのだ。彼らの反抗は、服従していると見せて、その実、能率を上げないことで、いささか内心で慰めているのであった。