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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
偽わらぬ感情だった。
その感情が、ふと、騒々しい物音となっていた時、幾間もへだてた家康の耳にまでそれが聞えたのであった。――ばたばたと、廊下を小走りに、ひとりの小姓が来て、家康のことばを伝えた。
「お召しです! ……」と。
そして、云い足した。
「みな様、ひとり残らず、お居間へお揃いあるようにとの、仰せでした」
一同は、はっとした。――さてはと、顔見あわせて、恐懼した。
だが、平八郎や兵部などの一徹者は、のぞむところと、いわぬばかりに、
「お召しとある。さ……参ろうではないか」
と、酒井忠次や他の面々をうながして、先に立った。
家康の居間は、甲冑の武者たちで、いっぱいになった。ふすまを払って、次の間まで、居ながれた。
「揃うたか」
みな家康の面に眸をあつめ合った。家康も一人一人を見まもるように、しばらく、口をつぐんでいる。
かれの側には、石川数正がいた。酒井忠次は、その次に坐り、以下、徳川家の中堅は、ここの顔ぶれで、あらまし代表されているといってよい。
「みな、聞いてくれい」
と、家康は口をひらきかけたが――ふと末席の方をながめて、
「末座の者は、ちと遠いの。