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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
――早く、矢倉を降りて、その若者たちを励ましてくれい。わしがそういったと、みなに伝えろ」
佐々勢は、その大部隊をたのんで、夜も昼も、間断なく猛攻をつづけ、城兵に息をつかせないことを、一義としていた。
「三の丸が、あぶない」
と、聞え出した。
地勢上からも、ここを城方の弱点と見て、成政は、
「搦め手と外構とに、集中して、揉みつぶせ」
と、各部署へ、号令した。
佐々平左衛門、野々村主水、久世但馬などの隊へ、さらに別動隊の野入平右衛門、桜甚助の兵が加わって、数千人、声つなみをあげて、
「わが手に」
と、ばかり攻め競った。
夜になって、小雨となり、土手、石垣などで、踏みすべり、組みあいながらも、血戦はやまなかった。
しかし、城兵は、もう三日三晩も、寝ていない。加うるに、敵の何十分の一という小勢。
「だめだッ」
悲痛な叫びが一つ聞えたときは、もう雨と火と血と泥ねいにまみれきった三の丸は、敵人の影に充ちあふれていた。
さなきだに少ない城兵の大半は、この夜、ここの守備で討死した。残った人数は、
「無念、無念」
といいあいながら、一応、本丸にあつまり、さらに、外曲輪との間に、徹夜で、防禦線を築いた。