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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
「去る者は、去った方がいい。真に、固めあう者のために、これや、家康を恵んでくるる作用じゃろう。……のう、忠次」
忠次は、老眼を伏せて、まつ毛を、指の腹で抑えた。
地崩れに似た震動は、この十六日も、なおやまなかった。
「刈屋の御城主、水野忠重どのもまた、数正と諜報を交わし、いずこの道をえらんでか、城をすてて、大坂方へ奔られた様子でござる」
これもまた、青天の霹靂だった。情報をもたらした早馬の者が、この離脱者に、敬称を用いたのは、遠州刈屋の水野忠重は、実は、家康の叔父にあたる人だったからである。
「ああ、叔父までが」
家康のこころはまさに、満身創痍といってよい。
叔父の身のまわりにも、不平や内紛はあった。知らないではない。しかし家康として、忠重までが――とは、考えられもしなかったことらしい。
「地震は、揺れるだけ、揺れてしまった方がよいのだ。地底に、空隙を、余さぬように」
左右の者へいうともなく、家康はひとりつぶやいて、この大地震に耐えるが如く、坐っていた。
そして、数正が残した城中の部下は、すべてこれを、内藤家長の手に、所属代えさせた。
また、信州小諸の、大久保七郎右衛門忠世を召還して、