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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
おたがい、仲よく二つに分けた地上で、政治も、文化も、経済も、また御自身のやりたいことすべて――栄耀栄華でも、したいことをして、境を守り合っていたら、ずいぶん、よい御位置ではないかと思う。信雄のごときは、そう思って、両者のこれ以上な喧嘩沙汰は、判断に苦しみます」
「その通り……。その通り」
家康は、何度も、うなずいて、信雄を得意がらせたが、その通りをくり返すことばのひびきは、少しも、その通りな、肯定には、聞えなかった。
「そこで、実は、自分からもいちど、御賢慮をうながすわけですが」
と、信雄が、いよいよ本題にはいりかけると、家康は、ニッと、片頬で皮肉な笑みをうかべた。
「何かな? 家康に、うながすこととは」
「例の、御上洛の件です」
「大坂へのぼって、秀吉に、臣下の礼をとれというおすすめか」
「いえ。決して――」
と、信雄は、鼻白い顔の前で手を振った。
「臣礼などと、そんな御無礼なおすすめを致すのではない。ただ、天下の人が安心します。世上に泰平を招来するために、いちど、御上洛あって、殿下とお会いなされたら……と、望んでいる次第なので」
家康にたいし、陰に陽に「いちど大坂へ上るべきである」