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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
天蔵はすぐ向き直った。官兵衛は手をのばして、刀を蒲団の下へ抱き入れた。
「ごめん下さいまし……。さだめしご退屈でございましょう」
宿の召使である。茶盆と共に膝を入れ、すぐ茶を汲みながら、世事ばなしを始めた。――が、ふたりとも、何か油断のならないものを、なお障子の蔭に感じていた。
「誰だ? ……。まだ外に、誰かつぐなんでおるようではないか」
官兵衛は、ふいに、そう咎めて宿の手代の顔いろを見た。
「はい、実は」
と、手代は、云い難そうに、
「どうしても旦那さま方へ、会わせてくれというて、肯かないものでございますから」
そういってから、障子の外の中縁へ首をさし出し、
「新七さん、おはいりよ。何をここへ来てから、もじもじしていなさるのじゃ」
と、いった。
さっき渡辺天蔵が門口で見かけた町人である。図々しく来たなと天蔵は眼をかがやかした。しかし、案外な気がふとしなくもなかった。というのは、
「はい。……ぶしつけに。……せっかくお休みのところへお邪魔しまして」
と、おずおず入って来たのをあらためて凝視すると、あながち荒木の部下が変装して来たというようなするどさは見えない。