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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
……どうぞ、戦いのお暇に、ちょっと、お越しねがいとうございます」
「……危篤とな」
「は、はい」
「医師のことばか」
「さようでございます。――が半兵衛様御自身は、私に向って、かならずとも、自分の容態をわが殿へも、陣中の人々へも、告げるなかれと、固く仰せられておりますが……。今生のお別れもはや間もないことなれば、ひと言、殿のお耳へ達しておいたほうがよかろうと医師、御家士方の仰せのままに、急いで、これまで、お知らせに伺いました」
「そうか」
と、答えた時には、秀吉もすでに観念の眼を心にとじていた。
「於松。……そちはわしに代って、しばしこれに立っておれ。やがて鷹之尾の戦場から、そちの父、官兵衛が引き揚げて来るであろうから」
「父は、鷹之尾に出て、戦っておりますか」
「むむ、例のごとく、輿にのって指揮にあたっておる」
「――では、私の方から、鷹之尾に行って、父に代って、兵を指揮し、父を半兵衛様のお枕辺へ呼びもどしてはいけないでしょうか」
「よくいうた。――そちにその勇気があるなら」
「行って参ります」
と、すぐ起って、
「半兵衛様の息のあるうち、父もひと目会いたいでしょう。