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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
――お戯れだわ、のう、筑州どの」
「いやこの頃でも、折々は、ひとの足腰を揉んでおるにはおる」
「ほ。……誰の」
「ことし七十余歳に相成る老母の腰を揉むことは、この方が楽しみの唯一でおざる。しかしここ幾年は戦陣にある方が多く、近頃はとんとその楽しみにも会い得ませぬ。……そうそう、俄かに思い出されて来た。おさきに失礼する。各※(二の字点、1-2-22)には、まずごゆるりと過されい」
秀吉は先に宴を辞した。
そこを立って、大廊下へ出てゆく間も、たれも止めてはいなかった。
諸侯は、彼が席を立ったのを、むしろ賢明と思い、たえられぬ危うさを感じていた鬼気殺気も、それによってまず、ほっとするを得たからであった。
「……殿っ」
「お退がりでございましたか」
大玄関に近い溜りの一間から、つと出て、彼のあとに従ったのは、片桐助作と石田佐吉の二小姓であった。
城中二日の空気は或る程度ここの詰所からでも感知することができた。が、秀吉は多くの家臣を城内に入るをゆるしていない。――で、二人の若者は、主人の無事を仰ぐと、各※(二の字点、1-2-22)うしろからこう云った。
「お疲れでございましたでしょう」