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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
武者振こそ作れと、ようやくあちらで止めて参った。――そして今、二人の髪の端だけを切らせ、筑前のと添えて、お位牌の前に供えて参ったが、おかげでこの暑さにも、頭だけは涼しくなった。はははは。入道とは涼しいものよな」
とはいえ、気になるものとみえて、秀吉はしきりにそれを撫でまわしていた。
瀬兵衛も右近も、最前からの不快は拭き消された。こんどの一戦を前にして、秀吉が剃髪して臨むまでの決意を見せている以上、些末な私情に駆られるなどは、みずから恥ずべきだと思った。
ただ、いかんせん、談話中、秀吉の頭を見ると、折々、おかしくなって堪らなかった。
近頃は余り面と向っては人もいわなくなって来たが、秀吉をさして「猿々」と呼び慣わしていた頃の先入主が、今もこの二人のどこかに潜んでいた。そしてその旧観念と、眼の前のものとが、見る者の心のうちで、相互に擽ッたい感情が挑み合っているのらしい。
「迅いには一驚を喫した。高松からこれまでの間、ほとんど、眠るまもなかったでござろうに。――いや、お元気を見て、われらも安心いたした」
瀬兵衛が、おかしさを怺えて、まずは尋常に挨拶すると、秀吉も急に思い出したかのごとく、